実家が空き家になったとき、「解体して更地にする」か「そのまま(または軽微な手を入れて) 売却する」かで迷う方は多くいます。どちらが正解ということはなく、建物の状態・立地・ 今後の活用意向によって判断が変わります。ここでは判断に使える評価軸と、国が用意している 関連の支援制度を、国土交通省の一次情報をもとに整理します。
評価軸の提示
解体・売却のどちらを選ぶかを考えるときは、主に次の3つの軸で状況を整理すると判断しやすく なります。
- 建物の状態: そのまま住める・貸せる状態か、大規模修繕が前提になるほど傷んでいるか
- 需要の有無: 立地的に「古家付き土地」や「中古住宅」として買い手・借り手がつきそうか
- 費用の負担能力: 解体費用を先に負担できるか、売却代金から差し引く形にしたいか
選択肢ごとの解説
解体(更地化)
老朽化が進み倒壊・崩落のリスクがある、または買い手が「古家付き土地」よりも更地を 希望する地域性が強い場合に選ばれる選択肢です。
空き家の除却(解体)については、国土交通省が「空家等対策の推進に関する特別措置法」 (平成26年法律第127号。令和5年12月13日に改正法が施行)に基づき、市区町村向けの 財政上の支援措置を用意しています。具体的には「空き家再生等推進事業」(平成20年度〜)や 「空き家対策総合支援事業」(平成28年度〜)といった国の補助制度があり、これらを活用して 自治体ごとに独自の空き家解体補助金制度を設けているケースがあります。また、令和5年度 税制改正では、空家の除却等を促進するための固定資産税等に関する措置も導入されています。
これらは国の制度を土台に自治体が個別に補助内容(対象要件・補助上限額等)を決めているため、 補助の有無・金額は自治体によって異なります。お住まいの実家がある市区町村の窓口・ 公式ホームページで、空き家解体に関する補助金制度の有無を確認することをおすすめします。
売却(現状のまま、または軽微な修繕のうえで)
建物がまだ利用可能な状態で、周辺エリアに古家・中古住宅としての需要がある場合は、 解体費用をかけずに売却する選択肢が有力になります。
売却価格の相場感をつかむには、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で近隣エリアの 実際の取引価格情報・地価公示データを確認する方法があります。これは公的統計として 信頼度が高い一次情報ですが、個別の物件の想定売却価格そのものを算出するものではないため、 最終的な査定は不動産会社への相談と組み合わせて検討するのが実務的です。
結論・条件別の考え方
- 老朽化が進み、更地としての需要が明確な地域: 自治体の解体補助金制度の有無を確認した うえで解体を検討する
- 建物がまだ利用可能で、古家・中古住宅としての需要がある地域: 不動産情報ライブラリで 相場感を確認しつつ、売却(または賃貸化)を検討する
- 判断に迷う場合: どちらか一方に決め打ちせず、解体費用の概算と売却査定の両方を 並行して確認してから決めても遅くありません
なお、実家を賃貸に出す選択肢(賃貸化)も含めて収益性を検討したい方は、賃貸化収益性の 概算診断もあわせてご利用ください。
解体費用の目安が知りたい場合は
自治体の補助制度を差し引く前の解体費用そのものの目安(建物構造・延床面積による違い)は、 概算診断でご確認いただけます。